品質工学
高い品質と生産性を同時に実現する方法論。
技術的最適条件を効率よく求める手段。
予測、診断、検査まで広範囲に適用可能。
- 狭義 : パラメータ設計(オフライン品質工学)
- 広義 : 許容差設計、オンライン品質工学、MTシステム法
ロバスト設計(頑健設計)
一般的な設計(デバッグサイクル)では、目標値の設定と品質チェックが分かれ、作り込みに頼る。
品質工学ではノイズ(使用環境、経年劣化、製造条件)に対して感度の低い設計パラメータを選定する。
目標との近さ(平均)とバラツキ(分散)の両方を同時に最適化する。
損失関数
製品の品質を、社会的損失の観点から数理的に評価。
- 望小特性:小さいほど望ましい(例:不純物、廃棄物)
- 望大特性:大きいほど望ましい(例:強度、寿命)
- 望目特性:目標値が望ましい(例:寸法、出力)
SN比(S/N比)
雑音に対する設計の頑健性を示す指標。dB単位で表現される。
変化に影響を与えるパラメータを効率的に抽出する。
SN比の要因効果図
- 同じグループ内でSN比の差が大きい → その要因が出力変動に大きく影響
- バラツキ低減 → その後目標値へ調整(感度調整)
MT法(マハラノビス・タグチ法)
多変量パラメータによる現象を単一尺度で評価。
標準状態との距離(識別度)を用いて品質評価を行う。